競輪のグレードレースとは?グレードや重賞の意味・一般レースとの違いまで徹底解説!
競輪予想サイト解体新書の検証担当「近藤 宗康」です。
今回は、競輪のグレードレースについてご紹介します。
競輪選手は約2,000人いますが、皆の実力が同じではありません。
着順を競い合う競技において実力差というのは着順を決める最も重要なファクターとなるため、実力上位の選手が勝利するのは当然。
ただ、それでは毎回同じ結果になってしまうのもまた必然です。
そのため、競輪のレースには「グレード」が定められており、戦うメンバーの実力差が出ないようにされています。
本記事では、競輪のグレード・グレードレースについて詳しく解説。
各グレードレースの開催日程や開催会場・優勝者までご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
競輪のグレードとはレースの格式のこと
まず、競輪におけるグレードとはなんなのか。
ご紹介します。
競輪のグレードとは「F2・F1・G3・G2・G1・GP」の6つに分類される”レースの格式”のことです。
F2・F1のFは「Fundamentals(基礎的・基本的)」の頭文字、G3〜G1のGは「Grade(格式)」の頭文字。
F1やG1などの数字は格式の高さを表すものであり、数字が小さいほど格式の高いレースです。
つまり、F2レースが最も格式が低く、G1の方が格式が高いレースということになります。
GPは、競輪界で最も格式の高いレース「競輪グランプリ」のこと。
一般的に「グランプリ」の略称であると解釈されていますが「グレードパーフェクト」の略称であるとも言われています。
競輪のグレードレースはG3・G2・G1・GPの4つ
競輪のF2・F1レースは、基礎的な格式のレースを指すことから「一般レース」や「一般」と呼ばれます。
一方、G3〜GPは「グレードレース」と呼ばれます。
つまり、競輪のグレードレースとは「G3・G2・G1・GP」の総称ということです。
また、これらはグレードレース以外に「重賞レース」や「重賞」とも呼ばれます。
重賞は「重要な賞」ではなく、パターンレース「回数を重ねて行う賞」という意味です。
一般レースとグレードレースの違いは3つ
F2・F1レースの一般レースとG3〜GPのグレードレースには、呼び名や格式だけではなく以下3つの違いがあります。
- 開催日数
- 出走条件
- 開催期間
それぞれ詳しくご紹介します。
一般レースとグレードレースでは年次開催日数が異なる
種別 | 年次開催日数 |
---|---|
一般レース(F2・F1すべて) | 365日 |
G1(6つ) | 34日間 |
G2(3つ) | 11日間 |
G3(43つ) | 172日間 |
GP(1つ) | 3日間 |
一般レースは、全国の43箇所に点在する競輪場いずれかで、毎日開催されています。
対して、グレードレースの年次開催日数はG3〜GPすべて足しても217日間。
一般レースとグレードレースの年次開催日数は148日間もの差があります。
グレードレースは、一般レースに比べて格式が高い(特別)ため、開催日数が少ないということです。
グレードレースには厳しい出走条件が設けられている
競輪のレースの格式が分かれているように選手には「階級」があり、階級によって出走できるレースのグレードが変わります。
G1レース設けられている出走条件の1部を抜粋すると以下の通り。
(1)S級S班在籍者
(2)過去3回以上優勝した者(開催時S1)
–keirin.jp・特別競輪等出場選手選抜方法より引用-
仮に、S級1班以上の選手で人数が埋められない場合はS級2班の選手が出走することになりますが、基本的にはS級1班以上の選手しか出走することができません。
G2・G3も同様に出走条件が設けられていて、GPに関してはさらに厳しい条件が設けられています。
対して、一般レースは1日のレースの中で階級分けされているため、グレードレースのような条件はありません。
ちなみに、階級が最も低い選手・新人選手はA級3班に配属され「チャレンジレース」のみの出走です。
チャレンジレースはF2レースに入るので、A級3班の選手はF1レース及びグレードレースには出走できないということになります。
グレードレースの開催期間は4日〜6日間
種別 | 1大会辺りの開催日数 |
---|---|
一般レース(F2・F1すべて) | 3日間 |
グレードレース | 4〜6日間 |
一般レースは、基本的に3日間開催なのに対し、グレードレースは4〜6日間の開催。
この日程は公式で定められているものであり、開催会場関係者や運営者が勝手に変えられるものではありません。
各グレードレースの詳しい開催日程については後述いたします。
競輪のグレードレースの特徴をご紹介
グレードレースと言っても、それぞれ格式・特徴が異なります。
予想する際のレース選びのポイントになると言っても過言ではありません。
ここでは、そんなグレード毎の特徴についてご紹介します。
GPは競輪界最高峰のレース
GPは、年末に開催される「競輪グランプリ」のことを指します。
年に1度しか開催されないレースであり、その年の最強選手を決める大会になるため、競輪界で最も格式の高いレースです。
優勝賞金額は他のレースよりもかなり高い設定となっていて、2022年競輪グランプリの優勝賞金額は1億2,380万円(副賞込み)。
GP全体の賞金額はたったの1レースで2億2,600万円です。
競輪選手は皆このGP出場・優勝を目指して日々奮闘しています。
G1は優勝すれば競輪グランプリ内定となる大きなレース
GPに次いで大きなG1レース。
主な出場選手は、競輪界トップクラスの戦績を誇るS級1・S班でその年活躍した9名です。
競輪グランプリ出場のために求められる活躍は「G1優勝者」「獲得賞金額上位者」など。
つまり、G1レースに優勝すればGP出場内定ということになります。
出場枠9名に対してG1レースは6つなので、そのほかは獲得賞金上位者が主な選抜指標。
G1レースの賞金額はGPに次ぐ高額な設定となっているため、優勝できなくともGP出場枠の獲得にはG1レースで活躍することが必須となります。
G2は若手選手が中心となるレース
G2レースは「サマーナイトフェスティバル」「共同通信社杯」「ウィナーズカップ」「ヤンググランプリ」の4つです。
G1レースにある「特別選抜(シード)」がないため、実力に関わらず予選からのスタートとなります。
G2レースはG1レースほどの賞金額は捻出されませんが、一般レースと比べるとかなり高い賞金額となるため、競輪グランプリ出場枠獲得のためにはかなり重要なレースです。
G3は競輪場の開設記念レース
グレードレースの中で、最も格が低いのがG3レース。
他のグレードレースと比べると、賞金額が低く設定されています。
G3レースは、主に「競輪場の開設を記念したレース」となっており、各競輪場で毎年同じ時期に行われるのが通例です。
開催される競輪場が、バンク改修などによりレースを行うことができない場合、同地区に位置している競輪場で開催されます。
グレードレースで予想する時のポイント2つを解説
競輪のグレードレースは、選手にとってだけでなく、我々競輪ファンにとっても大切なレースです。
ただ、実力ある選手が出走するグレードレースの難易度は一般レースよりもはるかに高くなります。
そのため、グレードレースで予想する際は以下2つのポイントを押さえておきましょう。
- 競輪の基礎知識や用語を身につけておく
- 券種は的中確率が高いものを使用する
それぞれ詳しく解説します。
競輪の基礎知識や用語を身につけておく
競輪には、競輪でしか使われない用語や知識があります。
その用語や知識を身につけておかないと、予想すること以外に時間がかかってしまい、情報収集不足で予想打にしない展開に悩まされる可能性も否めません。
また、予想サイトや予想屋などを参考にする際、知らない用語が出てくることもありますし、知識がない場合は理解するのに時間がかかります。
そのまま予想をし続けていると、間違った知識を身につけてしまい「勝てない」となるのは必然。
難易度が高いグレードレースであれば尚更です。
基礎知識・用語は必ず覚えておきましょう。
券種は的中確率が高いものを使用する
券種 | 組み合わせ | 的中確率 |
---|---|---|
3連単 | 504通り(7車立ては210通り) | 0.20%(7車立ては0.47%) |
3連複 | 84通り(7車立ては35通り) | 1.19%(7車立ては2.85%) |
2車単 | 72通り(7車立ては42通り) | 1.38%(7車立ては2.38%) |
2車幅 | 36通り(7車立ては21通り) | 2.77%(7車立ては4.76%) |
2枠単 | 33通り(7車立ては発売なし) | 3.03%(7車立ては発売なし) |
2枠複 | 18通り(7車立ては発売なし) | 5.55%(7車立ては発売なし) |
ワイド | 36通り(7車立ては21通り) | 8.33%(7車立ては14.28%) |
3連単のような組み合わせ点数が多い券種は、的中確率に欠ける反面当たったら高配当に期待ができます。
対して、3連複やワイドのような組み合わせ点数が少ない券種は、的中確率が高い反面当たっても大きく荒れない限り10,000円のような高配当はつきません。
グレードレースに出走するメンバーは競輪界トップクラスで活躍する選手たちなので、一般レースに比べ予想難易度は高いと言えます。
そんなグレードレースで予想をするのであれば、的中確率が高い券種を選ぶのが得策です。
このように券種とレースの組み合わせには”向き不向き”があるため、レースの難しさに合わせて使い分けるようにしましょう。
2023年グレードレースの日程・開催会場・優勝者一覧
ここでは、2023年開催のグレードレースの日程・優勝者をご紹介していきます。
各グレード毎にご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
尚、開催されていないグレードレースについては日程・開催会場のみの記載となります。
【GP】競輪グランプリ2023
レース名 | 開催日程 | 開催会場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
競輪グランプリ | 12月28日〜12月30日 | 立川競輪場 | – |
2023年の競輪グランプリは、東京都にある立川競輪場での開催となるため、かなりの数の競輪ファンが会場に足を運ぶことが予想されます。
新型コロナウイルス感染症対策はかなり緩和されているため入場制限はないと思われますが、競輪場に訪れる際は確認してから向かうようにしてください。
G1
レース名 | 開催日程 | 開催会場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
読売新聞社杯全日本選抜競輪 | 2月23日〜2月26日 | 高知競輪場 | 古性優作 |
日本選手権競輪 | 5月2日〜5月7日 | 平塚競輪場 | 山口拳矢 |
高松宮記念杯競輪 | 6月13日〜6月18日 | 岸和田競輪場 | 古性優作 |
オールスター競輪 | 8月15日〜8月18日 | 西武園競輪場 | – |
寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント | 10月19日〜12月22日 | 弥彦競輪場 | – |
朝日新聞社杯競輪祭 | 11月9日〜11月12日 | 小倉競輪場 | – |
全てのG1レースが終了したその時点で、競輪グランプリの出場者9名が決定します。
全日本選抜競輪・高松宮記念杯競輪で優勝している古性優作選手、日本選手権競輪で優勝している山口拳矢選手は、競輪グランプリ2023内定者です。
これらのG1を全て制覇した場合「グランドスラム達成」となります。
G2
レース名 | 開催日程 | 開催会場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
ウィナーズカップ | 3月18日〜3月21日 | 別府競輪場 | 松浦悠士 |
サマーナイトフェスティバル | 7月15日〜7月17日 | 函館競輪場 | 松浦悠士 |
共同通信社杯 | 9月15日〜9月18日 | 青森競輪場 | – |
ヤンググランプリ | 12月28日〜12月30日のいずれか | 立川競輪場 | – |
ヤンググランプリや共同通信社杯などの出走条件には「第何期以降の選手」と明記されているためベテラン選手が出走できないため、新人選手が中心となるレースです。
そのため、G2レースは「若手の登竜門」と呼ばれます。
G3(上半期のみ)
レース名 | 開催日程 | 開催会場 | 優勝者 |
---|---|---|---|
鳳凰賞典レース | 1月4日〜1月7日 | 立川競輪場 | 新田祐大 |
和歌山グランプリ | 1月12日〜1月15日 | 和歌山競輪場 | 脇本雄太 |
東日本発祥倉茂記念杯 | 1月19日〜1月22日 | 大宮競輪場 | 深谷知広 |
ちぎり賞争奪戦 | 1月26日〜1月29日 | 豊橋競輪場 | 脇本雄太 |
春日賞争覇戦 | 2月2日〜2月5日 | 奈良競輪場 | 三谷竜生 |
たちあおい賞争奪戦 | 2月9日〜2月12日 | 静岡競輪場 | 郡司浩平 |
施設整備等協賛競輪 | 2月16日〜2月19日 | 伊東温泉競輪場 | 山口拳矢 |
水都大垣杯 | 3月4日〜3月7日 | 大垣競輪場 | 犬伏湧也 |
金亀杯争覇戦 | 3月9日〜3月12日 | 松山競輪場 | 山田庸平 |
瀬戸の王子杯争奪戦 | 3月26日〜3月29日 | 玉野競輪場 | 小原太樹 |
BNR大阪・関西万博協賛 | 4月1日〜4月4日 | 四日市競輪場 | 浅井康太 |
よさこい賞争覇戦 | 4月6日〜4月9日 | 高知競輪場 | 新田祐大 |
北条早雲杯争奪戦 | 4月13日〜4月16日 | 小田原競輪場 | 郡司浩平 |
大楠賞争奪戦 | 4月22日〜4月25日 | 武雄競輪場 | 脇本雄太 |
大阪・関西万博協賛競輪 | 4月22日〜4月25日 | 久留米競輪場 | 橋本壮史 |
五稜郭杯争奪戦 | 5月13日〜5月16日 | 函館競輪場 | 嘉永泰斗 |
ワンダーランドカップ | 5月18日〜5月21日 | 宇都宮競輪場 | 眞杉匠 |
水都大垣杯 | 6月3日〜6月6日 | 大垣競輪場 | 浅井康太 |
施設整備等協賛京都向日町カップ | 6月8日〜6月11日 | 向日町競輪場 | 簗田一輝 |
中野カップレース | 6月24日〜6月27日 | 久留米競輪場 | 成田和也 |
三山王冠争奪戦 | 6月29日〜7月2日 | 前橋競輪場 | 古性優作 |
阿波おどり杯争覇戦 | 7月6日〜7月9日 | 小松島競輪場 | 松浦悠士 |
不死鳥杯 | 7月22日〜7月25日 | 福井競輪場 | 古性優作 |
金鯱賞争奪戦 | 7月27日〜7月30日 | 名古屋競輪場 | 山口拳矢 |
瑞峰立山賞争奪戦 | 8月3日〜8月6日 | 富山競輪場 | – |
大阪・関西万博協賛名輪会カップ | 8月10日〜8月13日 | 京王閣競輪場 | – |
大阪・関西万博協賛競輪 | 8月10日〜8月13日 | 和歌山競輪場 | – |
燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯 | 8月26日〜8月29日 | 松戸競輪場 | – |
平安賞 | 8月31日〜9月3日 | 向日町競輪場 | – |
鳳凰賞典レース | 9月7日〜9月10日 | 立川競輪場 | – |
蒲生氏郷杯王座競輪 | 9月23日〜2月26日 | 松阪競輪場 | – |
ちぎり賞争奪戦 | 9月28日〜10月1日 | 豊橋競輪場 | – |
各競輪場の開設記念レースの開催。
賞金額は一般レースより高いので、G3レースでの活躍も競輪グランプリ出場枠に大きく関わってくると言って過言ではありません。
他のグレードレースと変わらない白熱した展開が繰り広げられます。
【まとめ】競輪のグレードレースは格式が高い特別なレース
今回は、競輪のグレードレースにについてご紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
まとめると以下の通りです。
- グレードレースは格式の高いレース
- グレードレースは「G3・G2・G1・GP」の4つ
- グレードレースは重賞とも呼ばれる
- 基礎知識・用語を身につけてからグレードレースで予想する
- グレードレースで予想する際は的中確率が高い券種がおすすめ
格式が高いグレードレースは、出場ハードルも高く設定されています。
その分一般レースよりも賞金額や選手のレベルが高いため、白熱した展開が魅力です。
ただ、一般レースと比べて難しいレースとなるため、正しいとした知識が必要不可欠となります。
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